WRO(国際的なロボットプログラミング大会)Japan決勝大会のミドル競技ジュニア部門で見事優勝を果たしたプログラボ綾瀬校の「みかんロボット」チーム。今回はチームのお二人に、大会の様子やロボットプログラミング、そしてプログラボについてインタビューしました。
■「優勝できた要因は、1回あたりの練習時間と練習ノート、そしてチームの結束力」
―― まずは優勝おめでとうございます。大会を終えて感じていることはありますか。
Tくん「学校の友達は僕がプログラミングを勉強しているということをあまり知りませんでした。今回、全国大会で優勝したことを全校生徒の前で表彰されたのですが、みんなに知ってもらえたことは、うれしかったです」
Sさん「周りにプログラミングを知っている人が少ないのは私も同じです。身内からほめられたのはすごくうれしかったです」
――本番当日、1回目はリタイアという形になってしまいましたが、2回目では成功しました。その間の気持ちの変化はどうでしたか。
Tくん「全国大会では人の多さに圧倒されました。そしてどこのチームもすごく強そうに見えた、というのが最初の印象です。それでもこれまで出場したすべての大会で失敗せずに優勝できていたので落ち着いて競技できると思っていましたが、1回目でまさかのリタイア。予想外のことにとても焦ってしまいました。
だけど、これまで自分たちがやってきたことを信じてチャレンジしよう、とチーム内で話し合いました。結果、2回目はサプライズルールも調整時間中に一度も試せなかったパターンにあたりましたが、無事にすべてのミッションに対応でき、逆転優勝を果たすことができました」
――チーム内の役割分担として、プログラミングとロボット製作で役割を分けるチームも多いと聞きましたが、TくんとSさんの間での分担はどのようにしていましたか。
Tくん「実は僕たちは、二人の間で明確な役割分担を決めてなかったんです。プログラミングもロボット製作も一緒に考えて、一緒に調整していました。お互いが気づいたことを遠慮なく言い合い、考えたアイデアも一緒に形にするほうが、一人で考えるよりもいいものができると考えたからです。
大会中、周囲を見渡すと揉めているチームもありましたが、私たちは練習期間を含め、一度も揉めたことはありませんでした。チームワークの良さも僕たちの強みの一つだったと思います」
――「みかんロボット」チームが優勝できた要因はなんだと思いますか。
Tくん「優勝できた要因は、1回あたりの練習時間と練習ノートだと思っています。
他の出場者は学校内の部活動単位でやっていることが多いようですが、僕たちのチームは中学3年生と小学6年生で学年も学校も違うため、練習回数が少ないというハンディがありました。その分、1回あたりの練習時間を長く、濃くすることにしました。日によっては朝9時から21時まで練習することもありましたね(笑)
もう一つの要因は、毎回の練習で練習ノートを書いていたことです。今年の5月25日から記録を開始しました。ノートには日々出た課題や課題への対応方法、その成功確率を記録していました」
Sさん「大会までにやるべき課題を洗い出し、優先順位をつけていたことも大きかったかもしれません。(綾瀬校の)豊田先生にアドバイスをもらって、優先順位をつけるための表を考えました。優先度としては、まずは確実にゴールすること。そして、どうやってタイムを縮めるのか、という順に考えていました」
■ 「ロボットプログラミングは何時間やっていても飽きない」「自分から動けるようになれました」
――プログラボを始めたきっかけはなんでしょうか
Sさん「お父さんに勧められて体験会に参加したのがきっかけです。参加するまではパソコンやロボットにふれる機会は少なかったのですが、自分で考えて形にして、それが動くところがとても面白いと思いました」
Tくん「中学で部活に入ってみたものの、熱中することができませんでした。
何か熱中するものを見つけたいと思っていた時に、パソコンが好きだったので、パソコン教室に通うことにしたんです。ですが、思っていたのとなんか違うなと。そんな中、たまたま電車の広告でプログラボを見つけて体験会に参加してみたら内容がすごく面白くて。体験会では、ロボットを単に曲がらせる、止める、といっただけでなく、その動きを応用して、コースを完走させるところまで体験でき、これだ!と思いましたね」
――プログラボと他の習い事の違いはありますか
Tくん「自由にやれることが多いというのが特徴だと思います。もちろんプログラムの組み方やロボットに取り付けるセンサーの仕組みなどについては、先生からアドバイスをもらいつつも、ロボットの製作や、製作したロボットをどう走らせるかなどは、自分で考え、創意工夫して進めることができます。自由にやれるからこそロボットプログラミングは何時間やっていても飽きないですね。もちろん考えるので頭は疲れますが、飽きることはありません」
――プログラボを通して、何か自分が変わったと思うことはありますか
Tくん「『論理的に考える』というのがどういうことか分かってきた気がします。今回の大会で優勝するためには、できるだけロボットの動きの無駄を省き、スピードを上げるためのプログラミングをする必要がありました。無駄を省くにはどうするか?、スピードを上げるにはどうするか?、毎回の練習でこのようなことを常に意識していたので、その考え方が身に付いたと思います。僕は今年受験をするのですが、限られた時間の中で目標を立てて効率よく勉強するということにも役立っています」
Sさん「これまでは何事にも受け身の姿勢でやることが多かったですが、プログラボを通じて、自分からこれやってみたい!、やってみよう!って思えるようになりました。たとえば、スイミングスクールではコーチから言われたことを単にこなすだけでしたが、ロボットプログラミングでは、もちろん先生はアドバイスをくれますが、それ以外にもこれを試すとどうなるだろう、といった好奇心が出てきて、自分から積極的に動けるようになれたと思います」
――大変なこともあったかもしれませんが、続けてこられたポイントはありますか
Tくん「大会というかたちで明確な目標があったのがよかったのかなと思います。目標を持って仲間たちと一緒に頑張れた経験は僕にとって宝物です」
Sさん「豊田先生やサポーター(教室のサポートスタッフ)の方、クラスメイトと意見交換をしたり、協力し合ったり、ときには競い合ったり、そういったことに心地良さを感じることができたのが大きいと思います。
今回優勝することができたのは、自分たちだけでできたことではなく、周りの人に助けてもらってできたことだと思っています。また、豊田先生は教えるというよりも、上手く私たちの考えを引き出してくれる先生です。大会の練習中に行き詰ったときに、よく先生に相談していましたが、『どうやれば上手くいくだろうね?』、『他のチームはどんなことをやっているだろうね?』など、私たちが考えるためのヒントをくれました。自分たちで考えて、形にする、それが上手くいったときの感動は忘れられないですね。」
――Tくん、Sさん、今日はインタビューありがとうございました。そして優勝、本当におめでとうございます。
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