近年、日本の教育において「STEAM(スティーム)教育」の注目度が高まっています。しかし、「正直、STEAM教育が何なのかよくわかっていない」という保護者の方も多いのではないでしょうか。「STEAM教育についてもっと知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
STEAM教育とは?
STEAM教育とは、「教科を横断的に学ぶことで創造性や問題解決能力を育成する」ことを目指す教育法・教育方針・また教育政策のこと。読みは「スティーム」です。ちなみに、「STEAM(スティーム)」は、以下5分野の頭文字から取った造語です。
- 科学 (サイエンス・Science)
- 技術 (テクノロジー・Technology)
- 工学 (エンジニアリング・Engineering)
- 芸術・リベラルアーツ (アート・Arts)
- 数学 (マスマティクス・Mathematics)
STEAM教育は、理数中心の「STEM教育」という従来の概念に、「Art(芸術・リベラルアーツ)」の要素を追加して生まれました。前身の「STEM教育」は、数理的思考力を重視した教育メソッドで、アメリカのオバマ大統領(当時)の演説によって世界中で有名になり、国家戦略として各国で取り組まれています。
「Art」は「芸術」という狭い意味で捉えられることもありますが、自然科学などのリベラルアーツ(教養)などを含めて部門横断的に広く捉えられることもあります。日本ではこの「Art」を広く定義し、STEAM教育を推進する方針です。(中央教育審議会での諮問より。)
STEAM教育では、「理科」「算数」という風に教科を分けるのではなく、5つの分野を横断的に学ぶことで、21世紀の実社会に求められる力(21世紀型スキル)を身につけ、未来を担う人材育成を行うことを目的としています。
文部科学省が作成する「学習指導要領」にも、STEAM教育の考え方が取り入れられています。ちなみに、日本の教育では、以下のような取り組みが行われています。
- 先進的な理数系教育を実践する高校や中高一貫校を「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定し支援(文部科学省)
- 高等学校の生徒チームが対象のサイエンス甲子園(科学の甲子園)の実施(科学技術振興機構)
- 小中学校(初等中等教育)でプログラミング教育が必修化
- 高校で「総合的な探究の時間」「理数探究」の時間が新設
- 教師にSTEAM教育の研修を行う
- GIGAスクール構想によりICT環境の整備(文部科学省・経済産業省・総務省の連携による教育改革)
ただし、自治体、私立・公立などによって、状況は大きく異なる可能性があります。また、教育者(教員)の人材不足も懸念事項として挙げられています。
なぜSTEAM教育が注目されているの?
近年、日本の教育現場でSTEAM教育が近年注目を集めている主な理由は、IT化やグローバル化が進展し、社会が急速に変化しているためです。近年、AI・IoTなどの科学技術が急速な進歩を遂げています。「AI(人工知能)・ロボットに人間の仕事を奪われるのではないか」という不安がある方もいるのではないでしょうか。
こんな変化の激しい時代で、活躍できる傑出した人材育成を行う必要があるという流れから、STEAM教育への注目度が高まりました。
STEAM教育の目的
STEAM教育は、以下の力を養うことを目的としています。
- 子どもの個性や興味を育む
- 問題解決・論理的思考力を育む
- コミュニケーション能力を育む
子どもの個性や興味を育む
STEAM教育は、科目ごとの教科書に沿って授業を行うといった画一的な教育ではなく、子供達の個性や興味・関心を活かした学習を行います。児童生徒の個性を伸ばすことは、将来の可能性を広げること。次世代のイノベーション人材を育てるということにも繋がります。
問題解決・論理的思考力を育む
STEAM教育では、実践的な問題解決型学習に重点を置いています。児童生徒自身が、自分ごととして捉えられる課題・問題を解決する経験を通して、問題解決能力や論理的思考力を育むことを目的としています。
コミュニケーション能力を育む
STEAM教育では、友達と協力して学ぶことが重視されています。グループで学ぶ中で、以下のような経験が積めるでしょう。
- グループで議論する
- 他者の考えを尊重する
- 自分の考えをわかりやすく伝える
- プレゼンテーションで発表する
これらの経験を通して、児童生徒の協調性やコミュニケーション能力などの非認知能力を育むことを目的としています。
小学校のSTEAM教育で得られる5つのメリット
近年、小学校でも、STEAM教育が取り入れられています。この章では、小学校のSTEAM教育で得られる5つのメリットについて詳しく解説します。
創造性: 遊びを通して、新しいアイデアを生み出す力を育む
小学校のSTEAM教育は、子供達の興味関心を引き付けられるような、「遊び」を通した学びを重視しています。机に向かった座学だけではなく、遊びを通して、ものづくりなどのさまざまなアクティビティを行うことで、新しいアイデアを発想する「創造性」「芸術性」などの非認知能力を身につけられます。
問題解決能力: 課題を分析し、解決策を見つける力を育む
小学校では、授業の中に問題解決型の学習を積極的に取り入れています。「問題解決型」と聞くと、小学生には難しいのではないかと思う方もいるかと思いますが、教員は発達段階に応じた課題を設定しているため心配ありません。課題を分析し、解決策を見つけるという経験を通して、小学生のうちから問題解決能力を身につけていきます。
論理的思考力: 物事を論理的に考え、判断する力を育む
小学校では、授業の中で「結論を述べた後に理由を添える」「友達に自分の考えを順序立てて伝える」といった経験を多く積んでいきます。その中で、物事を論理的に考える力、判断する力である「論理的思考力」も育めます。
情報収集能力: 情報収集し、分析する力を育む
情報化社会において、情報を取捨選択したり、数学的に分析したりする力は非常に重要です。小学校のSTEAM教育では、実際にパソコンやタブレットを使って情報を集めたり、分析したりする経験を通して、情報収集能力を育んでいきます。
協調性: 仲間と協力して課題を解決する力を育む
「STEAM教育の目的」の章でも触れたように、STEAM教育では仲間と協力して学ぶことを重視しています。特に、小中学校では日常的にグループ(班)活動が多いのが特徴です。グループで課題解決の経験をたくさん積めるため、自然と協調性を養えます。
STEAM教育の具体的な例
ここまでSTEAM教育について詳しく解説してきましたが、「どんな学習を行うのか具体的なイメージがわかない」という方もいるでしょう。そこで、この章では、STEAM教育の具体的な例を3つ紹介します。
プログラミングでロボットを動かす
「プログラミングでロボットを動かす」というのも、STEAM教育の一種です。大人から見るとただ遊んでいるだけに思えるかもしれませんが、実は多くの学びを得られます。
例えば、ロボットを思い通りに動かすためには、どのようにプログラミングをすればよいか論理的に考える力や、数学・工学の力も必要です。うまくいかない時は試行錯誤を繰り返すことで、問題解決能力も養えます。加えて、タブレットやPCの操作方法、プログラミングなどのITスキルも身につけられます。
工作キットを使って、オリジナル作品を作る
工作も立派なSTEAM教育の一種です。ものづくりは図形の理解など、工学的なスキル(Engineering)を実践的に学べるとともに、オリジナル作品の制作を通して、想像力・創造力・主体性などの非認知能力も育めます。
ただし、あくまでも子どもの自由なアイデアを尊重することが大切です。大人の思うものを作らせるよう誘導しないよう注意してください。おうちでも取り組みやすいSTEAM教育の工作キットも販売されているので、興味がある方はぜひチェックしてみましょう。
科学実験を通して、科学の原理を学ぶ
科学実験を通して、科学の原理を学ぶこともSTEAM教育の一つ。理数の知識だけでなく、科学的な思考力・分析する力・レポート作成能力など、多くの力を身につけられます。
科学実験というと「理科の授業」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、意外とおうちで簡単にできるものもたくさんあります。夏休みの自由研究にもおすすめです。
STEAM教育を始めるには?最適なSTEAM教育の選び方
この章では、STEAM教育の教材を選ぶ際に重要なポイントを解説します。STEAM教育の教材選びに失敗したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。
無理なく始められる簡単なアクティビティから始める
STEAM教育を始める最初の一歩として大切なのは、お子さんが無理なく始められる簡単なアクティビティから始めることです。各教材ごとに対象年齢が設定されているので、参考にしながらお子さんのレベルに合った教材を選びましょう。
子供の興味・関心に合った内容を選ぶ
お子さんの興味・関心に合った内容を選ぶことも非常に重要です。そもそも、興味・関心のないものでは、探求しようと主体的に学ぶことはできません。お子さんが、何に興味を持っているのかをしっかり把握し、知的好奇心・探究心を刺激するようなお子さんに合う教材を見極めましょう。
親子で一緒に楽しみながら学ぶ
できれば、親子で一緒に楽しみながら学べる教材を選ぶのもおすすめです。ただし、STEAM教育はあくまでもお子さんが主体性を持って学ぶことが重要。そのため、親がリードして教えるのではなく、あくまでも「一緒に楽しむ」という姿勢を大切にしましょう。
STEAM教育にロボットプログラミングをおすすめする理由
STEAM教育には、ロボットプログラミングが最適です。この章では、STEAM教育にロボットプログラミングがおすすめな理由を詳しく解説します。
楽しみながら学べる
ロボットプログラミング最大のメリットは、子供達が楽しみながら学べること。遊んでいるように楽しみながら自発的に取り組めるでしょう。特に、レゴなどのブロック遊び・ものづくりが好きなお子さんにぴったりです。
問題解決能力が身につく
ロボットプログラミングでは、ロボットを思い通りに動かすために試行錯誤を繰り返します。その中で、問題解決能力や論理に考える力が自然と身についていくでしょう。
コミュニケーション能力が身につく
ロボットプログラミングを行う中で、必ずうまくいかないことも出てきます。その時に、友人とアドバイスをし合ったり、先生に質問をしたりする中でコミュニケーション能力も養えます。
飽きずに続けられる
ロボットプログラミングは、初歩的な組み立てから、本格的なロボット制作まで学習内容が幅広いため、子供達が創造性を発揮しながら飽きずに続けられるというのもメリット。未就学児から、小中学校・高校・大学と、長い間学び続けられます。
STEAM教育のプログラミングならスクールで学ぶのがおすすめ
「STEAM教育として、お子さんにプログラミングを学ばせたい!」という場合には、スクールで学ぶのがおすすめです。本やキットを購入して自宅で学ぶこともできますが、プログラミング教室やロボット教室なら、専門的な知識を持った講師から手厚いサポートを受けられます。
加えて、カリキュラムが体系化されているので、お子さんの発達に合わせてその時に最適な内容を学べるのも魅力。教材選びに失敗するリスクをなくせます。
STEAM教育を学ぶならプログラミング教室プログラボへ!
STEAM教育を学ぶなら、プログラミング教室「プログラボ」がおすすめです。プログラボでは、レゴロボットを活用したプログラミング授業を行っています。月謝に加えて入会金・教材費がかかるスクールも多い中、プログラボではそれらの料金が完全に無料。月謝以外の料金は一切かかりません。プログラボのレゴプログラミングコースについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
プログラボでは無料体験会を開催中です。お子さんに合うか見極めるためにも、お気軽に足を運んでみてください。
ロボットプログラミングを体験できる東京メトロ・プログラボの教室
東京メトロが運営するプログラボは東京、千葉、神奈川にスクールを開設しており、無料体験授業を開催しています。各教室の詳細、無料体験のお申し込みは詳細をご覧ください。
東京都のロボットプログラミングが体験できる教室
- 晴海校(2024年4月開校):都バス「はるみらい前」より徒歩3分 ※詳細
- 目黒校:東京メトロ南北線・JR山手線・東急目黒線・目黒駅 徒歩3分 ※詳細
- 茗荷谷校:東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅 徒歩1分 ※詳細
- 本郷三丁目校:東京メトロ丸ノ内線 都営大江戸線 本郷三丁目駅 徒歩1分 ※詳細
- 月島校:東京メトロ 有楽町線 月島駅 徒歩2分 ※詳細
- 葛西校:東京メトロ東西線 葛西駅 中央出口(高架下)徒歩2分 ※詳細
- 曳舟校:京成曳舟駅から徒歩1分/東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩3分 ※詳細
- 王子校:東京メトロ南北線 JR京浜東北線 王子駅 徒歩4分 ※詳細
- 赤塚校:東京メトロ有楽町・副都心線 赤塚駅 徒歩2分 ※詳細
- 綾瀬校:東京メトロ千代田線 綾瀬駅東口 徒歩2分 ※詳細
- 東陽町校:東京メトロ東西線東陽町駅 徒歩4分 ※詳細
- 西日暮里校:東京メトロ千代田線 都営日暮里・舎人ライナー 西日暮里駅 徒歩2分 ※詳細
千葉県のロボットプログラミングが体験できる教室
- 津田沼校:JR総武線(東京メトロ東西線直通) 津田沼駅 徒歩3分 ※詳細